初のゴーゴーバーは未知の世界であった。
忘れもしない、あの高揚感。タイと言えばバンコク、バンコクといえばゴーゴーバー。ネットで調べて、こんな素晴らしい場所があるのか!と思った。1日目にパタヤに行った。パタヤは昔米軍が残した歓楽街として有名だ。パタヤの有名な、ウォーキングストリートでは、ゴーゴーバーの目の前で、躊躇して入れない。入り口がしまっており、そこからわずかに見える隙間から、別世界を見た。ただ店の前に立つ、いかつい男と、いかにも勧誘している女を見ると、入る勇気がなくなってしまうのだった。
バンコクにきて、泊まったホテルの近くにソイカウボーイというゴーゴーバーが密集している地域があった。今日こそは勇気を出して入ってみるぞ、と昼間の閑散としたゴーゴーバー前で誓った。
なんのために行くのか、日本でも夜の街を知らない僕がなぜゴーゴーバーに行くのか、それは、自分との戦いであった。別世界を知ることであった。ただ踊っている女を見たいのではない。自分がどれだけ、困難に打ち勝てるかの勝負だった。さあ暖簾をくぐれ。未知の世界が俺を待っている!!
ソイカウボーイへの道で、マッサージ(?)店のガールたちに道を阻まれ、腕を掴まれる。悪いが君たちに構ってる時ではないのだ。ただ、たくさんのガールに囲まれて腕引っ張られるって悪くないよね。
この日ほど海外旅行をしていて緊張したことはない。好きな子に電話して、コールが鳴っている間、自分で電話してるくせに出ないでくれと思っている時の、あの気持ちと同じだ。なにせ一人で入るのだ。一緒に来た連れは体調が悪く寝てしまった。あー緊張する。行くのやめようかな。またチキンが出てきた。ええい何も考えずはいってしまえ!
ピンクな空気に飲まれそうになる。
店の前をゆっくり歩いていると、踊り子に腕を掴まれる。いつもならただ通り過ぎるだけだった。今日は違った。OK, OK、見るだけねと店に入る。少し上がったステージで水着のお姉さんたちが踊っていた。ふーん、こんな感じなのか、と案外なにも感動せず、店を出た。
それから何軒か回ってみるが、大して目的もないし、お金を使おうと思わなかったのでソイカウボーイを出た。ちなみにソイって道って意味ね。一人で行っても面白くないのかもしれない。今度、タイをよく知っている人に案内してもらおう。
終わり
以上 ゴーゴーバー初体験談でした。一銭も払わず、何もせず帰って来ましたが、それはそれで新たな世界を知れたのでよかったと思ってます。
ゴーゴーバーは日本のキャバクラと違って、お酒を飲んでいるだけなら、1杯100バーツ(350円)で楽しめます。もっと知りたい人はググってみてね。